相続にまつわるトラブルを防げ!預金引き出しに関する事例紹介と解決法
遺産相続ではトラブルに発展するというケースが多くあります。そのひとつが被相続人の預貯金に関するトラブルです。とくに、被相続人の生前にご家族のどなたかが被相続人の口座からお金を引き出していた場合にトラブルに発展する可能性が高くなります。
なぜこのようなトラブルになるのでしょうか。今回はこうしたトラブルを事前に理解しておきたい方必見の、具体例と回避方法を紹介します。
この記事の目次
1.トラブルの原因となるのは何か?
具体例で説明します。父、母、子供3人(長男、次男、三男)の5人家族で、父が入院しており、1年以内に死亡してしまう可能性が高いと告げられた状況だとします。

この例で父が死亡してしまった場合には、相続人(相続する人)は、当然残された4人になります。この状況で父の看病をしていた長男が、他の誰にも相談せずにお金を引き落としていました。長男の立場としては、看病をする上で必要なお金だから仕方ないと思って引き出してしまったわけです。
ところがこのような状況で父が死亡した後、残された相続人4人の間でトラブルが発生するケースがあるのです。
相続人についての詳細は相続人は誰?相続する順位をくわしく解説!これを見れば、誰でも相続人が誰になるかがわかります。を参照してください。
2.トラブルになるケースとならないケース
長男が父親の看病で必要なお金を、相談せずに引き出してしまった今回のケース。この時、トラブルになるケースとならないケースがあります。
(1)トラブルになるケース
長男と他の相続人の間に信頼関係が無い場合には、思わぬトラブルにつながる恐れがあります。相続人同士が仲が悪い場合や、兄弟で疎遠が続いている場合などは、お金の使い道を問われて返還を求められることもあります。
(2)トラブルにならないケース
大きなポイントとなるのは、長男を含め相続人同士の『信頼関係』の有無です。仮に他の相続人への相談がなくても、信頼関係があればトラブルにつながることは少ないでしょう。特に長男が看病をしていることに理解を示していれば、大きな問題に発展することは少ないと言えます。
3.トラブルを回避する方法は?

(1)証拠を残しておく
長男がトラブルを回避するためには、引き出したお金を正しく使ったことを記録することが大事です。こうしておくことで使い道の証明ができ、思わぬ衝突を避けることができます。
(2)別の相続人に説明しておく
他の相続人とのトラブルが予測される場合には、事前に相談しておくことが大切です。お金を引き出す前に、使い道を明らかにして、承諾を得てから使うことでトラブルを回避できるでしょう。
4.トラブルになってしまった時の対処法
このような対処法をしておかないと、予想外のトラブルにつながる可能性があります。
もし相続人同士でのトラブルに発展してしまった場合には、とにかくそのお金を何に使ったかを説明することが肝心です。それでも、他の相続人が納得しないようであれば、調停や裁判も視野に入れる必要がありそうです。
個人で解決ができない場合には、法律の専門家に相談して解決を図りましょう。
まとめ
兄弟などの親族間でのトラブルはできれば避けたいものですが、相続はトラブルが起こる可能性がとても高いです。事前に対策がとれることはしっかりと対策を行っておきましょう。
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