区分地上権に準ずる地役権の相続税評価
区分地上権に準ずる地役権の相続税評価
区分地上権とは、他人所有に係る土地の、地上または地下を区切って使用する権利をいいます。
使用目的は工作物所有に限られ他の所有目的のために区分地上権を設定することはできません。
区分地上権に準ずる地役権とは
この区分地上権は、使用者にとっては大変便利な権利ですが所有者にとって負担が大きいことや設定目的が制限されることなどから、他の権利で代替されることがあります。
区分地上権に代替して利用される権利として地役権という権利を設定することがあります。
地役権とはある土地の便益のために他者所有の土地を利用する権利をいいます。
地役権は、法的な特徴点として利用者ではなく、土地にとって利益となる権利内容でなくては設定することができないという特徴があります。
例えば、山林の研究者が研究の利便を図るために他者所有の山について地役権を設定することはできません。
これは、いわば人益権であって、現行民法の理解するところの地役権とは異なるためです。
あくまでも土地の便益にかなうものとして設定されなければ、地役権とは認められることはありません。
そしてどのような場合に土地の便益にかなうものとして、地役権設定が認められるかは、登記先例や判例などを参考にケースバイケースとなります。
最も典型的な地役権内容としては、ある土地のために他者の土地を通行する通行地役権が挙げられます。
地役権の評価
ところで先ほど述べましたように、地上権は設定目的が限定されていることや所有者にとって重い負担となることから、地上権設定の目的を達成するために地役権が利用されることがあります。
例えば、空中に高圧電線を通すために、建物の設置を制限するという地役権が設定されます。
これは、実質的には区分使用のために地役権を設定しているものとして、区分地上権に準ずる地役権と呼ばれます。
区分地上権に準ずる地役権は、財産的価値があるので、相続時には権利の評価方法が問題となります。
この点については、制限の内容の区分に従い、それぞれ次に掲げる割合とすることができるものとなっています。
即ち、(1)家屋の建築が全くできない場合には、100分の50又はその区分地上権に準ずる地役権が借地権であるとした場合にその承役地に適用される借地権割合のいずれか高い割合。
(2)家屋の構造、用途に制限を受ける場合には100分の30となります。
区分地上権に準ずる地役権は設定されることは少ないですが、設定されている場合には相続の対象となり、相続税の評価が問題となることは把握されておくことが必要です。
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