前妻の子と連絡がとれない場合の相続手続き
前妻の子と連絡がとれない場合の相続手続き
相続開始後は、故人の遺産を分けるために遺産分割協議を行う必要があります。
この遺産分割協議は、相続人全員で行う必要があり、相続人が1人でも欠けて行った遺産分割協議は無効となります。
ところで、長い人生の中で結婚と離婚、そして再婚があることは何も不自然なことではありません。
結婚・離婚・再婚はまったくの個人の自由です。
そのため、故人が生前に離婚された経歴がおありになる場合、故人と前妻との間にお子様がおられる可能性があります。
この場合、前妻のお子様は故人の正当な相続人として相続権を有します。
故人の前妻の子の存在は、あらかじめ把握されていることもあれば、戸籍調査によってはじめて判明することもあります。
相続人間で問題が生じるケース
この場合には相続手続きにおいて、やや問題が生じる可能性がありえます。
つまり、前妻のお子様からすれば、多くの場合、意外な相続権の発生となり、後妻様やそのお子様からすれば、相続権が発生することにすっきりしない感情が生じることもありえます。
このように、故人に結婚と離婚、再婚の経歴がお有りになる場合には相続手続きに関して問題が生じる可能性があります。
典型的なケースは、今述べましたように、相続人様の間で争いが生じるケースですが、もうひとつの可能性として、前妻のお子様が行方不明などで連絡がつかないという場合です。
この場合に、話し合いをする前提として、相手がいないため、特別な手続きを取る必要があります。
つまり、家庭裁判所に申し立てて不在者財産管理人という立場の人を選任してもらい、その不在者財産管理人が連絡のつかない前妻のお子様の代わりに遺産分割協議に参加して、遺産分割協議をすることとなります。
特殊な相続手続き
また、もうひとつの可能性として、失踪宣告という制度を利用することができるケースもありえます。
失踪宣告(普通失踪)の場合、最後に行方がしれた時点から7年を経過した場合には、少なくとも、遺産分割協議を行う上では、その方は死亡したとみなして手続きを進めることができます。
この場合には、前妻のお子様が7年以上行方不明であることを家庭裁判所に申し立てる必要がありますので、司法書士や弁護士の助力を得ることが一般的となります。
このように前妻にお子様がおり、連絡が取れない場合には不在者の財産管理人を選任したり、 失踪宣告の手続きを取るなど法律的に手続きが複雑となる可能性があります。
戸籍調査などの結果で意外な相続人がいたケースにおいては、法律手続に詳しい専門家へ相談されることが重要となります。
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