信託と相続税
1.信託を活用した相続税対策の現状
相続税対策は早めに行っておきたいものですが、その対策方法を調べているときに、信託を利用した相続税対策、というものが目につくことがあるかもしれません。平成19年に信託法が改正され、信託を活用した相続対策について従来よりも幅が広がりましたが、「信託」という特殊性もあり、思った程には対策が広まっていないのが現状です。
2.相続税の節税効果はあまりない
信託の主な相続対策での活用シーンは、「節税」ではなく「遺産分割や円滑な財産承継」となります。なかには信託受益権を分離して相続税評価を行うことで、相続税を節税するような対策もありますが、一般的ではありません。
3.使いやすいのは受益者連続型信託
遺言を作成すると、財産を渡したい人に財産を相続させることが可能ですが、その財産を渡した人の相続については、指定することができません。例えば、子供が2人いるケースで、いったん自分の財産は長男に相続させてあげたいけれど、長男が亡くなった後に長男の妻に財産までは相続させたくないという場合には、受益者連続型信託という信託を設定することで、長男が亡くなった後には二男に相続させるというような遺言ではできない財産承継の方法を選択することができます。
4.どこに相談すればよいか?
財産内容等によりケースバイケースとなります。一般的には信託銀行が窓口になることが多いですが、信託法改正により、様々な信託形式を提案する信託会社も設立されており、弁護士や税理士が対応するような相談先もあるため、内容に応じて相談先を選定するとよいでしょう。
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