銀行預金の相続をするため、覚えておきたい6つのポイント
銀行預金の相続についてご存じですか?
銀行預金のお金を相続する際、どのようにして自分の口座に振り込まれるのでしょうか?
必要な手続きや手段についてご説明しています。
この記事の目次
1.銀行預金の相続とは

銀行預金の相続というのは、被相続人(相続財産を残して亡くなった方)が持っている預金の名義を相続人に変更することです。
相続後は解約して現金化してもかまいませんし、定期などはそのまま名義だけを変えて継続することも可能です。手続き上は、名義変更の依頼を出して、それが受理されたら相続人名義の預金を解約、またはそのまま継続するという流れになります。
2.名義変更に必要なこととは?
名義変更をするためには、必要書類を用意して、所定の書類に記入したうえで窓口で申し込みをします。特殊な手続きですし、事前に用紙を準備してもらった方がスムーズに進められますので、窓口に行く前に相続手続きをしたい旨を伝えておくとよいでしょう。いきなり来られた場合よりも金融機関側の準備ができるため、窓口の対応もよくなりますし、必要なものを聞いておくことでミスを防げます。
なお、名義変更手続は相続関係の調査をしたり、書類の確認を行うため、窓口できちんと書類をそろえて申し込みをしてからおよそ一週間程度の時間を要します。
3.名義変更に必要な書類
相続による預金の名義変更をするときは、いくつかの書類が必要です。金融機関によってその内容は若干差がありますが、ほぼ確実に提出するものは以下の通りです。

戸籍謄本と印鑑証明書は市区町村の役所で取得でき、相続人全員の者に関しては発行から3か月以内に限られます。これらの書類は複数の金融機関で手続きを取る可能性があるため、原本を提出したのち、金融機関側がコピーを取り、原本を返却することがほとんどです。念のため、事前に原本を還付してほしい旨を伝えてから書類を渡しておくとよいでしょう。
預金名義変更依頼書は銀行に所定の用紙が用意されていますので、事前に取り寄せて相続人全員の署名と実印の押印をしたものを持参しましょう。中には、オンラインで依頼書をダウンロードできるところもありますし、遠方ならば郵送でも届けてもらえます。法定相続人が一人の場合には比較的早く済みますが、何人も遠方にいるときは郵便でのやり取りになり、時間がかかりやすいです。
なお、これらの書類を持ち込んで名義変更の申請をするときに、金融機関によっては相続人全員が窓口に来なければ手続きを進めないという事があります。そこで、遺産分割協議書や遺言書に、執行者として法定相続人の代表者を選んでおくと、その執行者が全員の書類を携えて一人で手続きができます。書類を作成するときには、分割方法だけでなく執行者の指定もあわせて行っておきましょう。
遺産分割協議書についての詳細は、下記をご参照ください。 |
4.遺産分割協議がまとまらなければ「相続できない」理由とは
預金の相続の場合、相続人の一人が自分の持分だけを先に解約して渡してほしいなどと金融機関に申し込むことがあります。
しかし、ほとんどの場合においてこの希望は却下されます。分割内容がまとまっていないうちに遺産を減らして、後々金融機関がトラブルに巻き込まれないようにするための自衛手段であり、相続人多数の場合には実際に現金を受け取るまでに時間がかかります。
5. 預金の名義変更の代行を依頼するには

預金の名義変更手続きは、知識や経験がない人にとっては煩雑な内容です。書類をそろえるだけでも一苦労ですし、何度も金融機関に出向いたり、仕事をしている人にはなかなか難しい面があります。
そこで、この手続きを専門家に代行してもらうという方法もあります。元々、相続税の関係で税理士に手続きを依頼していた人の場合、口座の名義変更を依頼すると、提携している行政書士や司法書士と協力して、不動産登記や各種書類の提出、名義の変更などをすべて手配してもらえます。名義変更だけを依頼する場合には、弁護士や司法書士に相談してみるとよいでしょう。
6.名義変更の期日とリスク
名義変更はいつまでに必要か
相続による名義変更は、特に締め切りなどは設けられていません。遺産分割協議が終了したら、その時点で手続きを行うとよいでしょう。
但し、相続税の納付義務がある場合には、相続開始を知った日の翌日から10か月以内に申告・納付をしなければなりません。たとえ申告の必要がない場合でも忘れる可能性もありますし、早めに手続きをするのがおすすめです。
変更手続きをしなかったらどうなるか
預金の名義変更をせずにいると、口座は凍結されたままになりますが国や金融機関の資金として吸収されることはありません。
現在の法律では預金を放置していても、その資金は確保されていますしペナルティーもないため、もし相続人名義の預金が後から発覚したり、預金があるのではないかと思われるのならば、早めに手続きを行いましょう。通帳を紛失していたり、預金の有無がわからない場合なども、専門家に依頼すると再発行や照会などの手続きから始めてもらえます。
まとめ
銀行預金が絡んでくる相続について、不安がある方は、専門家に一度相談してみるとよいですよ!
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