相続税還付は払い過ぎたときに有効 – 還付金請求は、○年以内なら可能!

相続税の申告期限から5年以内であれば、払いすぎた相続税が戻ってくる可能性があることをご存じでしょうか?相続税の還付請求を行う事で、払いすぎた相続税が戻ってくるケースがあります。相続税の還付請求について詳しくご紹介します。
動画でよくわかる!相続税の還付請求についてはこちら
この記事の目次
1.相続税還付とは
過去に一度納めた相続税を、更正の請求という手続きにより国から戻してもらうことを相続税還付といいます。どういう場合に税金を戻してもらえるかというと、相続税申告書の誤りにより相続税を納めすぎていた場合です。自分で申告書を作成した場合に多く発生しますが、税理士に依頼していても、その税理士が相続税申告に慣れていなかった場合には還付が発生する可能性は十分にあります。
還付される金額は当初の申告額と適正な申告額の間にどれぐらいの差異があるかによりますが、当初申告の内容によっては数千万円単位の還付が行われるケースも少なくありません。
2.相続税を納めすぎている場合とは
相続税は自己申告で行います。相続した土地や財産の評価額を自分で計算して税務署に申告しなければなりません。預貯金などの現金のみであればさほど難しくはありませんが、相続財産には預貯金以外にも土地や骨董品など評価の難しいものがたくさんあります。
その結果、計算に誤りが生じやすくなります。税務署は、納付額が過少であった場合には税務調査を行い追加徴収をしようとしますが、納付額が多い場合には自ら指摘や返金はしてくれません。では、具体的にはどのような場合に相続税を納めすぎている可能性があるのでしょうか。

2-1.相続財産に土地が含まれている場合
土地の評価はとても複雑です。そのため、同じ土地を5人が評価した場合、5人とも異なる評価額になる場合があります。土地の評価のポイントは、現地調査や役所の調査です。土地の評価に慣れていない人が評価を行った場合、評価減になる要素を理解していない為、相続税を納めすぎてしまう可能性が出てきます。

上記の他にも、騒音や日照障害がある、墓地等と隣接している、敷地内にがけ地がある等、土地の評価が減額される要素は様々です。それらを全て理解して適正な土地の評価を行うことは難しく、相続財産に土地がある場合には還付の可能性が高くなるのです。
2-2.依頼した税理士が相続に不慣れな場合

税理士なのに不慣れなんてあるの?と思われるでしょうが、多くの税理士は個人の確定申告や会社の会計業務などをメイン業務としています。相続税は突発的であり、かつ、全国の税理士の数に対し相続税の申告件数は圧倒的に少ないため、相続税の申告を行ったことのない税理士も多くいます。
そのため、相続税の申告の際に評価減となる要素を見落としてしまい、相続税を納めすぎてしまうという結果が多く発生してしまうのです。
3.相続税の還付請求の期限は、法定申告期限から5年以内

法定申告期限は、相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内となります。そのため、還付請求手続きの期限は相続の開始を知った日の翌日から5年10ヶ月以内となります。つまり、5年10ヶ月を過ぎてしまうと還付請求は出来ないということになります。
還付請求を検討されている方は、まずは相続開始から5年10か月以内であるかどうかを確認しましょう。
4.還付請求の手続きはどうすればいいの?
相続税の還付請求の手続きは、最初に相続税申告を行った税務署で「更正の請求」という手続きを行います。先にも述べたように、相続税の還付は土地の評価などがポイントとなります。そのため、相続の知識をしっかりともった税理士に依頼することが重要になります。
4-1.どんな税理士事務所に依頼すればいいの?
前提として、まずは相続税を専門とした税理士に依頼することが重要です。先ほども述べたように、税理士の中には相続税申告の経験はほとんどないという方も少なくありません。医者に内科や外科、耳鼻科など様々な専門分野があるように、税理士の仕事にも専門分野が存在するのです。
税理士の得意分野を見分けるには、ホームページで実績を確認するのも良いですし、直接事務所に問い合わせて聞いてみるのも良いでしょう。大体、年間100件程度の相続税申告実績があれば相続税の経験豊富な事務所と判断することができます。
その上で、還付請求においては土地の評価が最大のポイントとなります。不動産鑑定士のような土地の評価のエキスパートと一緒に判断してもらうことで、より良い結果に結びつく可能性があります。相続の知識があることを前提としたうえで、不動産鑑定士と連携のある税理士事務所かどうかを確認することをおすすめします。
4-2.費用と必要なものは?
①税理士の費用
費用については、税理士事務所によって異なりますが、相続税の還付請求に関しては「完全成功報酬」で実施している税理士事務所が多いです。還付が認められた場合のみ、還付された税金の何割かを成功報酬として支払うという方法です。その時の金額は税理士によって異なりますが、還付された金額の30~50%で設定している事務所が多いようです。依頼する税理士事務所がどのような料金形態になっているかを確認しておきましょう。
②必要書類
税理士に依頼する場合は、最初に行った相続税申告の書類一式をそのまま税理士に提出するだけで問題ないです。
4-3.還付まではどれくらいかかる?
還付申請後、税務署の審査を経て還付の可否が判断されます。この期間はおおよそ3~6ヶ月程度となります。確定した還付金は相続人の指定口座に振り込まれます。
5.準確定申告で還付が可能に?
被相続人が亡くなった場合、相続人は被相続人が死亡した翌日から4カ月以内に被相続人の所得税の申告と納税をする必要があるのですが、これを『準確定申告』といいます。
例えば被相続人のAさんが平成26年3月10日に亡くなった場合をもとにご説明します。
Aさんが生前に個人事業を行っていたり、不動産所得があったりした場合、財産を引き継ぐ相続人・Bさんが、Aさんの平成26年分の所得税の申告と、平成26年1月1日から同年3月9日までの相続税申告とは別に所得税の申告(準確定申告)を行う必要があるのです。
一方で、仮に被相続人が年金収入だけだった場合でも、準確定申告をすれば所得税が一部還付されることがあります。
被相続人の所得が年金収入だけだった場合、毎月源泉徴収という形で税金を納めています。自分は支払っているつもりがなくても、税金は天引きされているのです。
準確定申告は、所得税の納付が必要ない場合は申告しなければならないというものではありませんが、申告することで毎月天引きされていた税金の一部が戻ってくる方は多いのです。
準確定申告の申告期限は4カ月なので、早めに確認しておきましょう。
6.レアケースだけどこんな事例も!再還付申請でさらに還付?
これは珍しい事例ではありますが、これまで一度還付申告したことのある方が再度還付申告してまた税金が戻ってくることもあります。
これは1回目の還付申告が間違っていたケースで、2度目に正しい申請をしたために再度戻ってきたという仕組みです。
2回目の還付申告に関しても、相続開始後5年10カ月が期限です。一度還付金申告をしたという方も、さらに戻ってくる可能性があるということは覚えておきましょう。
7.還付請求のよくある質問

まとめ
あなたが、相続開始を知った日の翌日から5年10ヶ月以内に相続税を支払っていて、土地をたくさん相続している場合には、還付請求が出来る可能性があります。
還付請求を行う場合は、相続についてしっかりと知識をもった税理士に依頼することをおススメします!!
税理士法人チェスターでは相続税専門の税理士事務所として、相続税還付の対応も行っております。
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