相続税評価で使用する為替レートは何を利用する?
相続税評価で使用する為替レート
相続財産の中に、外貨建ての資産や負債がある場合には、為替換算を行う必要があります。
基本的には以下の通りとなり、プラスの資産の場合にはTTB(対顧客直物電信買相場)を、マイナスの負債の場合にはTTS(対顧客直物電信売相場)を利用します。
マイナスの負債 → TTS(対顧客直物電信売相場)
なお、分かりやすくいうと、TTBは「外貨」を「円」に交換するときのレートで、TTSは「円」を「外貨」に交換するときのレートとなっています。
このTTSとTTBに差があるのは、外貨を交換するときに金融機関の手数料がかかってしまうからです。
なお、これらについては国税庁のタックスアンサーNo.4665 外貨(現金)の邦貨換算に記載があります。
原則、納税義務者の取引金融機関のものを利用
なお、TTBやTTSは金融機関ごとにレートが多少異なります。
そのため、国税庁のタックスアンサーには「相続人の取引金融機関が公表する」ものを使用すると記載があります。
イメージとしては、相続人が利用しているメインバンクが公表している為替レートとなりますが、このメインバンクがなかったり、メインバンクが過去の為替レートを公表していないケースも想定されます。
そういった場合には、任意の金融機関の為替レートを使用しても問題ないでしょう。
インターネットで比較的容易に過去の為替相場を知ることができるのは、三菱UFJが公表するものなどがあります。
なお、相続人ごとに取引金融機関が異なる場合には、相続人ごとに同じ財産でも違った評価になる可能性がありますが、それは問題ないと考えます。
相続開始日に相場がない場合には、前の日付で最も近い日の相場
相続開始日時点で、為替相場がない場合には、前の日付で最も近い日の為替相場を使用します。上場株式の株価のように“前後”ではなく“前”のみである点に注意が必要です。
今まで見たページ(最大5件)
関連性が高い記事
カテゴリから他の記事を探す
-
相続税編