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株式の種類と評価方式の決定。非上場株式を相続したら一番初めにやることとは。
あなたが相続した非上場株式の相続税を計算するためには、まず最初にどの評価方式を使って計算するかを決めなければいけません。
そのためにやるべきことは
① 株を相続した場合、大株主になるのか、少数株主になるのか、わける
② ①をもとに評価方式を決定する
の2つです。
それでは詳しく見ていきます。
1.そもそも株式とは!?
株式とは、株式会社における社員権のことです。
株式を所有していれば、株主総会で議決権を行使し会社の経営に参加できる権利や、配当金を受け取る権利が与えられます。
このような権利は、当然タダではありません。
株式所有者が亡くなった場合には、株式の価値を適正に評価する必要があります。
中でも、非上場株式とは、上場株式のように開かれたマーケットで決定された取引価格が形成されていない株のことを指します。
取引価格が形成されていないということは時価がないということです。
時価がないので、いざ非上場株式を相続した場合は、まず時価の算出から始めなければ相続税の計算はできません。
2.相続した株を大株主か少数株主か判別する
非上場株式の時価を求めるためには、正確な評価方式(相続税の計算式)のもと計算をしなければいけません。
正確な評価方式を決めるために、まず最初に非上場株式を相続した場合、大株主になるのか、少数株主になるのか、わけることから始めます。
大株主、少数株主を具体的な表現で言い換えると、「会社のオーナーさんの株」か「会社の従業員や創業メンバーで会社の株を少し持っているか」です。
大株主、少数株主とは何か、詳細に述べると話がずれてしまうので、簡単にご説明します。
大株主の定義
株を「会社の支配」や「経営権の行使」に使用していたとされる場合は大株主に該当します。
少数株主の定義
少数株主とは「株式の配当」からでしか利益を得られない株主のことを指します。
大株主は会社から得る利益が大きいですが、それと比較すると少数株主は利益としての価値は低いです。
3.非上場株式の相続税評価方式とは
大株主か、少数株主かが把握できたら、つぎはそれをもとにして、評価方式を決定します。
評価方式の決定を大きくいうと
【大株主】
大会社であれば、類似業種比準方式で時価を評価
中会社であれば、類似業種比準方式と純資産価額方式を用いて時価を評価
小会社であれば、類似業種比準方式と純資産価額方式を用いて時価を評価
【少数株主】
配当還元方式で時価を評価
類似業種比準方式
類似業種比準方式とは市場で時価が形成されている会社の株価をもとにして時価を決定。
その時価をもとにして、相続税の計算をするというものです。
非上場株式といえども大会社の場合、従業員や会社の資産などの実態が上場株式と似ていれば、類似業種比準方式が採用されます。
では、ここで問題となるのが「大会社とは何か?」ということですが、中小会社の定義と合わせて、別途記事でご紹介いたします。
純資産価額方式
純資産価額方式とは、会社の資産から負債を引いた分の額に対して、相続税を課税するというものです。
先ほどの大会社と同様、「中小会社とはなにか?」という定義が大事になってきます。
配当還元方式
配当還元方式とは配当の額を元にして相続税の評価を行うというものです。
4.非上場株式の評価方法:非上場株式の評価は難しい!?
非上場株式の評価は難しいです。
上記のように方式が決定されても正確な評価を求めるために様々な要素を考慮しなければいけないからです。
計算式自体はシンプル
株式の評価自体は、『持株数』×『1株当たりの金額』と、シンプルな計算式で求められます。
『持株数』は、残高証明書や株主名簿からカンタンに把握できます。
『1株当たりの金額』は把握するためには様々な要素を検討しなければいけません。
非上場株式は取引価格が形成されていないため、『1株当たりの金額』を簡単に評価することはできないからです。
『1株当たりの金額』を求めるためには、株式の保有目的、会社の業種、会社規模など、様々な要素を考慮して初めて算出できます。
参考までにですが、上場株式の『1株当たりの金額』は、合理的な取引価格等が形成されているため、インターネット検索や証券会社に問い合わせることにより、簡単に把握することができます。
非上場株式の相続税評価のすべて
非上場株式を相続したら一番の問題になるのは、「市場で定められた価格がないため、いくら相続税を支払ったらいいかわからない」ということ。
非上場株式はまず会社や市場の現状を判断して価額を評価。その評価を元にして相続税を計算します。
では、一体どのようにして評価や相続税を求めるのか。
ステップを追っていけば、すべてがわかるよう必要な情報を全てご紹介させていただきました。
非上場株式の相続税評価のすべてを見る